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ChatGPT広告とは|出稿の仕組みと「自社の目的に合うか」の見極め方

広告運用 2026.07.31

「ChatGPTに広告が出るようになったらしい。うちも出したほうがいいのか?」

ここ最近、お客様との打ち合わせでこの質問が増えてきました。実際にChatGPTを使っていて、回答の下に広告らしきものが出てきて驚いた、という方もいらっしゃると思います。

「新しいことは、まず試してみたい」。この感覚はとても健全だと思っています。実際、新しい媒体の初期に手を挙げた企業が、競合より先に勝ち筋を見つけた例を私たちは何度も見てきました。

一方で、私たちは広告運用を支援する立場、つまり毎月の予算を預かって成果を説明する側の人間でもあります。その立場から率直にお伝えすると、新しい媒体で成果が出るかどうかは、媒体の新しさではなく「その媒体が自社の目的と噛み合っているか」でほぼ決まります。同じChatGPT広告でも、ある企業には有力な一手になり、別の企業では手応えが出ないまま終わる。この差は運ではなく、事前に見極められる部分がかなりあります。

この記事では、ChatGPT広告について現時点で公式に確認できる事実を整理したうえで、「自社の目的にこの媒体が合うのか」を見極めるための材料をお渡しします。なお、この分野は動きが速いため、記載内容は2026年7月末時点の情報である点をあらかじめお断りしておきます。

この記事で分かること

  • ChatGPT広告とは何か、どこにどう表示されるのか
  • 誰に届く広告なのか(表示対象と、届かない相手)
  • 日本から出稿できる状態なのか、始め方の流れ
  • CPM・CPCという2つの買い方と費用の考え方
  • Google広告・Meta広告との決定的な違い
  • 目的別に見た、ChatGPT広告が効く場面と他の手が早い場面

ChatGPT広告とは — 回答の外側に出る「スポンサー枠」

まず前提から整理します。ChatGPT広告は、OpenAIが2026年2月9日に米国でテストを開始した広告の仕組みです。

もっとも誤解が多いのがここなので先にお伝えすると、ChatGPT広告に出稿しても、ChatGPTの回答内容が自社に有利になることはありません。OpenAIは「回答の独立性(Answer Independence)」という原則を掲げ、広告は回答に影響しないと明言しています。広告は回答テキストとは分けて表示され、スポンサーであることが明確にラベル付けされます(参照: OpenAI「Testing ads in ChatGPT」)。

つまり構造としては、検索結果の上下に広告枠があるのと近い考え方です。「AIに自社をすすめさせる」ものではなく、「AIの回答の外側にある枠を買う」ものだと理解してください。

この違いは、社内やお客様に説明するときに必ず効いてきます。AI検索で自社が引用されやすくなるかどうかは、広告ではなくコンテンツ側の話(いわゆるAEO)であり、別のテーマです。

どうやって表示する広告が決まるのか

OpenAIの説明によれば、テスト期間中は「会話の話題」「過去のチャット」「過去の広告への反応」をもとに、広告主が入稿した広告とのマッチングが行われます。例としてOpenAI自身が挙げているのは、レシピを調べている人にミールキットや食材宅配の広告が表示されるケースです。複数の広告主が該当する場合は、その会話にもっとも関連性が高いものが優先されます。

キーワードの完全一致ではなく、会話の文脈で決まる。ここがこの媒体の性格を決めています。

誰に届くのか — 「届かない相手」から考える

広告媒体を検討するとき、私たちがまず確認するのは「誰に届くか」より「誰に届かないか」です。ここが自社の顧客像と食い違っていると、どれだけ運用を工夫しても成果は出ません。

ChatGPT広告の表示対象は、公式発表では次のように整理されています。

区分 広告の表示
Free(無料)プラン 表示される
Goプラン 表示される
Plus / Pro 表示されない
Business / Enterprise / Education 表示されない
18歳未満と判断されるアカウント 表示されない
未ログインの利用 対象外(ログイン済み成人ユーザーが対象)

加えて、健康・メンタルヘルス・政治といった繊細で規制のある話題の周辺には広告が配信されない設計とされています。医療・クリニック系のお客様を支援する立場としては、ここは特に注意が必要な点です。

この表から読み取れることは、はっきりしています。有料プランを使っているヘビーユーザーには、広告は届きません。

ChatGPTを日常的に使い込んでいる層ほどPlus以上を契約している傾向を踏まえると、ChatGPT広告で届くのは「無料または低価格プランで、日常的な調べ物や検討にChatGPTを使っている層」ということになります。

ここで、検討している方に一度立ち止まって考えていただきたい問いがあります。自社のお客様は、この層に含まれているでしょうか。

たとえば一般消費者向けのサービスで、購入前にあれこれ調べる商材であれば、重なる可能性は十分にあります。一方、BtoBで情報感度の高い決裁者層に狙って当てたいという場合は、その人たちはすでにPlus以上を契約しているかもしれません。だとすれば、同じ予算はLinkedInや検索広告、あるいは展示会からのWeb導線に振ったほうが早い、という判断もあり得ます。

この問いに即答できるかどうかが、ChatGPT広告を試す価値があるかの最初の分かれ目です。そして多くの場合、答えは「たぶんこうだと思うが、確信はない」あたりに落ち着きます。それは自然なことで、既存の広告データや問い合わせの中身を見れば、かなりの精度で絞り込めます。

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日本から出稿できるのか — 提供国に日本が含まれている

結論から言うと、出稿できる状態になっています。

OpenAIは2026年5月7日の更新で、英国・メキシコ・ブラジル・日本・韓国へのパイロット拡大を予告していました。そして現在、OpenAIが公開しているAds Managerの提供国一覧には、オーストラリア・カナダ・日本・韓国・ニュージーランド・英国・米国が「Available(提供中)」として掲載されています(参照: OpenAI Help Center「Ads Manager Availability」)。

日本に拠点のある企業であれば、ads.openai.com から直接申し込んでアカウントを作成できます。

始め方の流れ

OpenAIが案内している手順は、他媒体の広告管理画面を触ったことがある方なら見慣れた形です。

ステップ 内容
1. アカウント作成 ads.openai.comから登録し、支払い情報を登録する
2. キャンペーン作成 目的・予算・配信ペースを設定する
3. 広告の入稿 画像・タイトル・説明文を個別入力、または一括アップロード
4. 配信・計測 表示回数・クリック・費用をダッシュボードやCSVで確認する

管理画面では、キャンペーン・広告グループ・広告という階層で成果を確認でき、メンバーの権限管理やAPIキーの発行にも対応しています。また、自社サイトのメタ情報から画像・タイトル・説明文を下書きとして自動入力する補助機能もあります(AIで新規に文章や画像を生成する機能ではない、と明記されています)。

ここで一点、強調しておきたいことがあります。OpenAI自身がAds Managerを「ベータ版であり、今後も進化していく」と明記しており、現時点では一部の機能が限定的だとしています(参照: OpenAI Help Center「Ads Manager Beta Overview」)。使えることと、成果が安定して読めることは、まだ別の段階にあります。

費用はどう決まるのか — CPMとCPCの2つの買い方

費用の話に入ります。ChatGPT広告には現在、2つの買い方があります。

買い方 課金のタイミング 向いている目的
CPM(表示1,000回あたり) 広告が表示されたとき 認知の獲得・幅広く知ってもらう
CPC(クリック単価) 広告がクリックされたとき サイト送客・反応の獲得

パイロットの初期はCPMのみでしたが、2026年5月にCPC入札が追加されました。OpenAIはその理由として、ChatGPTでの会話は「カテゴリについて学んでいる」「選択肢を比較している」「次にどうするか決めようとしている」といった能動的で意思決定に近い場面が多く、クリックがその広告の有用性を示す意味あるシグナルになる、と説明しています(参照: OpenAI「New ways to buy ChatGPT ads」)。

あわせて、コンバージョンを計測するためのピクセルとConversions API(サーバー側から成果を送る仕組み)も提供されています。「表示されました」で終わらず、問い合わせや購入まで追える下地は用意されている、ということです。ただし広告主が受け取れるのは集計された成果情報のみで、個別の会話内容にはアクセスできません。

実際の単価については、現時点で目安をお示しすることは控えます。 入札と競合状況で変動するうえ、日本での配信が始まって間もないためです。相場が語れるだけの実績が業界全体に蓄積されていない段階で数字を出しても、判断の助けにならないと考えています。

Google広告・Meta広告と何が違うのか

既存の媒体と並べると、この媒体の立ち位置がはっきりします。

Google検索広告 Meta広告 ChatGPT広告
起点 検索キーワード 興味関心・属性 会話の文脈
ユーザーの状態 探す言葉が決まっている 受動的に眺めている 比較・検討している最中
制御のしやすさ キーワード単位で細かく可能 配信面・クリエイティブ中心 現時点では限定的
運用ノウハウ 蓄積が豊富 蓄積が豊富 これから

いちばんの違いは、ユーザーがまだ言葉になっていない段階にいることです。

検索広告は「ピラティス 山形市」のように、探す言葉が固まった人を捉えます。強力ですが、裏を返せば言葉が決まる前の人には届きません。一方ChatGPTでは、「運動不足を解消したいけれど、ジムとピラティスとヨガで迷っている」といった、まだ検索キーワードになっていない相談が交わされます。その途中に入り込める可能性がある、というのがこの媒体の面白さです。

ただし、面白さと使いやすさは別です。キーワード単位で細かく制御する運用に慣れているほど、現時点の管理機能は物足りなく感じるはずです。

目的別に見る — ChatGPT広告が効く場面、他の手が早い場面

ここまでの事実を踏まえて、実務的な話に入ります。

「ChatGPT広告をやってみたい」というご相談をいただいたとき、私たちが最初にお聞きするのは媒体の話ではなく、「それで何を実現したいですか」です。目的がはっきりすると、ChatGPT広告が有力な一手になる場合と、同じ予算を別の場所に置いたほうが早い場合が、かなりきれいに分かれます。

代表的な目的ごとに整理すると、次のようになります。

実現したいこと ChatGPT広告の相性 あわせて検討したい打ち手
比較・検討中の人に接触したい 相性が良い。会話の文脈で拾えるのがこの媒体の強み 検索広告(指名・比較KW)、比較記事のSEO
今すぐ客の申し込みを増やしたい 現時点では読みにくい。相場が固まっていない 検索広告、LP改善、MEO(店舗の場合)
新商品・新サービスの認知を広げたい CPMでの接触は可能。ただし規模は媒体次第 Meta広告、ショート動画、プレスリリース
地域の来店客を増やしたい 配信の地域制御に依存する部分が大きい MEO、Meta広告の地域配信、チラシとの併用
BtoBで決裁者に届けたい 有料プラン層に届かないため、届きにくい可能性 検索広告、展示会からのWeb導線、ホワイトペーパー
問い合わせの「質」を上げたい 媒体の問題ではないことが多い LP・フォーム改善、訴求の見直し

この表で申し上げたいのは、ChatGPT広告が良い・悪いという話ではありません。同じ「集客したい」でも、目的が違えば最短ルートは変わるということです。

特に最後の行は、現場で本当によくあるケースです。「広告の反応が悪い」とご相談いただいて数字を拝見すると、原因が媒体ではなくランディングページやフォームにあった、ということが少なくありません。その状態で新しい媒体を足しても、同じ結果を繰り返すだけになってしまいます。

試すなら、こういう状態で試したい

そのうえで、ChatGPT広告を早い段階でテストする価値が高いのは、次のような状態にある企業だと考えています。

  • 既存のGoogle広告・Meta広告で、すでに成果の基準ができている(新しい媒体の良し悪しを判断できる)
  • 商材が比較・検討を伴う(すぐ決められない、調べてから選ぶ性質のもの)
  • 広告の成果を計測できる状態が整っている(GA4・コンバージョン設定が動いている)
  • 月の予算に、すぐには成果が読めない検証枠を確保できる

逆に、まだ検索広告やMEOで取りこぼしがある段階なら、そちらを先に埋めたほうが同じ予算で成果は出やすいはずです。新しい媒体は、初期の相場が固まっていない時期ほど「高く買ってしまう」リスクとも隣り合わせだからです。

とはいえ、これは「やめておきましょう」という意味ではありません。基準となる媒体で成果が出ている企業ほど、新しい媒体を正しく評価できます。 土台を固めることと、新しい入口を試すことは、順番の問題であって二者択一ではないと考えています。

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まとめ — 「出せるか」ではなく「目的と噛み合うか」で決める

この記事のポイントを整理します。

  • ChatGPT広告は、回答の外側に表示されるスポンサー枠。出稿しても回答内容には影響しない
  • 表示対象はFree・Goプランのログイン済み成人ユーザー。Plus以上の有料プランには届かない
  • 健康・メンタルヘルス・政治などの繊細な話題の周辺には配信されない
  • 日本はAds Managerの提供国に含まれており、ads.openai.comから出稿可能。ただしベータ版
  • 買い方はCPMCPCの2種類。ピクセル・Conversions APIによる成果計測にも対応
  • 広告主は会話内容にアクセスできず、受け取るのは集計された成果情報のみ
  • 起点がキーワードではなく会話の文脈である点が、既存媒体との決定的な違い
  • 比較・検討層への接触とは相性が良い一方、目的によっては他の打ち手のほうが早い

新しい媒体が出てくるたびに、「やらないと遅れる」という焦りが生まれます。ただ、広告は話題性ではなく、預かった予算をどう成果に変えるかで選ぶものだと私たちは考えています。

そして「ChatGPT広告が気になっている」というきっかけは、実はとても良いタイミングでもあります。新しい媒体を検討することは、自社の集客をいま一度、目的から見直すこととほぼ同じだからです。届けたい相手は誰か。何が足りていないのか。その整理ができていれば、ChatGPT広告を使うにせよ使わないにせよ、次の一手の精度は確実に上がります。

私たちCRAFHは、広告・SEO・SNSを横断して支援している立場から、「この目的なら今はこの順番が早い」という判断を一緒に組み立てています。特定の媒体を売るためではなく、成果に一番近い道を選ぶための相談先として使っていただければ嬉しいです。

「ChatGPT広告をうちで試す価値があるか知りたい」「そもそも今の集客のどこに手を入れるべきか整理したい」——どちらのご相談でも構いません。お気軽にお問い合わせください。現状の数字や課題を拝見したうえで、ChatGPT広告を含めた選択肢の中から、今どこに予算を置くのが最短かをご提案します。

よくある質問

ChatGPT広告は、日本の企業でも出稿できますか?

できる状態になっています。OpenAIが公開しているAds Managerの提供国一覧に日本が含まれており、日本に拠点のある企業であればads.openai.comから申し込んでアカウントを作成できます。ただしAds Manager自体がベータ版と明記されており、機能は今後変わっていく前提です。現時点では「使える」と「安定して成果が読める」は別だと考えておくのが安全です。

広告はどのユーザーに表示されるのですか?

OpenAIの発表によると、ログイン済みの成人ユーザーのうちFreeプランとGoプランの利用者が対象です。Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationの各プランには広告が表示されません。また18歳未満と判断されるアカウントには表示されず、健康・メンタルヘルス・政治といった繊細な話題の周辺にも配信されない設計とされています。有料プランの利用者には届かない、という点は届く相手を考えるうえで重要です。

費用はどのくらいかかりますか?最低出稿額はありますか?

買い方はCPM(表示1,000回あたりの課金)とCPC(クリック課金)の2種類が用意されています。CPCは2026年5月に追加されたもので、クリックが発生したときにのみ課金される仕組みです。実際の単価は入札や競合状況によって変動するため、一律の相場を示すことはできません。予算はAds Manager上で自社で設定する形になります。金額の目安は運用実績が積み上がってから判断すべき段階だとお考えください。

Google広告やMeta広告と、何がいちばん違うのですか?

起点が「キーワード」ではなく「会話の文脈」である点です。OpenAIは、会話の話題・過去のチャット・過去の広告への反応をもとに広告を選んでいると説明しています。検索広告が「調べたい言葉が決まっている人」を捉えるのに対し、ChatGPT広告は「まだ言葉になっていない、比較や検討の途中の人」に触れられる可能性があります。一方で、キーワード単位で細かく制御する運用には向きません。

広告を出すと、ChatGPTの回答内容に自社が有利に反映されますか?

されません。OpenAIは「回答の独立性(Answer Independence)」を原則として明示しており、広告は回答内容に影響しないと繰り返し説明しています。広告は回答の外に、スポンサー表記付きで視覚的に分離された形で表示されます。「広告を出せばChatGPTに自社をすすめてもらえる」という理解は誤りなので、社内やお客様への説明時にはご注意ください。

広告主はユーザーの会話内容を見られるのですか?

見られません。OpenAIは、広告主はチャット・チャット履歴・メモリ・個人情報にアクセスできず、受け取れるのは表示回数やクリック数といった集計された成果情報のみだと説明しています。会話の中身が広告主に渡る仕組みではない、という点は社内で懸念が出たときの説明材料になります。

ChatGPT広告を試すとして、既存のGoogle広告やMeta広告は止めるべきですか?

止める必要はありません。ChatGPT広告は既存媒体の置き換えではなく、届く相手もユーザーの状態も異なる別の入口だと捉えるほうが実態に近いです。むしろ既存媒体で成果の基準ができているほうが、新しい媒体を試したときに「良かったのか悪かったのか」を判断できます。予算配分をどう組むかは目的と商材によって変わるため、現状の数字を見ながら決めることをおすすめします。

田中 稜子
Written by — 執筆

田中 稜子

Ad Consultant

CRAFHの広告運用コンサルタント。Google・Meta広告を中心に、企業の集客と費用対効果の改善を担当。会社情報を見る

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