「広告はクリックされているんです。でも、問い合わせが来ないんです」——支援の現場で、本当によく受ける相談です。多くの方は「広告の文言が悪いのか」「予算が足りないのか」と広告側を疑うのですが、管理画面を拝見すると、広告は仕事をしているケースが少なくありません。
クリックはされているのに成果が出ない。この場合、原因の多くはクリックした人が着地するページ——LP(ランディングページ)の側にあります。広告は「連れてくる」ところまでしかできません。問い合わせるかどうかを決めるのは、その先のページです。この記事では、地方の中小企業のマーケティングを支援しているCRAFHが、高額なLP制作を発注する前に自社で確認・改善できるポイントを整理します。
この記事で分かること
- LP(ランディングページ)とは何か、広告とどう役割分担しているか
- 広告のリンク先をトップページにしてはいけない理由
- ファーストビュー・オファー・フォームの3点改善の考え方
- スマホ表示を最優先で確認すべき理由
- 制作を発注する前に自社でできるLP改善チェックリスト
LPとは「広告の受け皿」— 成果はクリックの後で決まる
LP(ランディングページ)とは、広告をクリックした人が最初に着地(ランディング)するページのことです。縦に長い1枚もののセールスページを指すこともありますが、この記事では広く「広告のリンク先ページ」全般として扱います。
広告運用というと、キーワード選びや予算配分など「広告管理画面の中」の話に意識が向きがちです。ただ、広告ができるのは「興味を持った人をページまで連れてくる」ことまで。連れてきた人が問い合わせるか、そっと閉じるかは、LPの出来で決まります。どれだけ広告を磨いても、受け皿に穴が空いていれば水は貯まりません。
自社の課題が広告側なのかLP側なのかは、数値で切り分けられます。ざっくり言えば、CTR(広告が表示された人のうちクリックした割合)が確保できているのにCVR(ページに来た人のうち問い合わせに至った割合)が低い場合、疑うべきはLPです。この切り分けの考え方は、広告レポートの読み方|CTR・CPA・CVRのどこを見ればいいかで詳しく解説しています。
トップページに飛ばしてはいけない — 「探させるページ」は閉じられる
支援の現場で最初に確認するのが、広告のリンク先です。そして実際、リンク先が会社のトップページになっているケースにかなりの頻度で出会います。
トップページは「うちの会社の全部」を紹介するページです。会社概要、事業一覧、お知らせ、採用情報。一方、広告をクリックした人が知りたいのは「いま広告で見た、あのサービスのこと」だけです。トップページに着地した人は、目当ての情報を自分で探さなければなりません。そして多くの人は、探す前に閉じます。
「広告で約束したことに、着地したページがすぐ答える」。LPの基本は、この一文に尽きると考えています。たとえば「外壁塗装の無料診断」という広告なら、着地先は外壁塗装の無料診断のページであるべきで、リフォーム全般のページでも、会社トップでもありません。
これは体感の話だけではなく、Google自身も広告の品質評価の要素として「ランディングページの利便性」——広告をクリックした人にとってページが関連性のある有用なものか——を挙げています(参照: Google広告ヘルプ「品質スコアについて」)。広告とLPがちぐはぐだと、成果だけでなく広告の評価やクリック単価にも影響し得る、というのが私たちの理解です。なお、広告側の設定やリンク先の指定方法については、Google広告を自分で始める手順|開設から配信までの落とし穴で扱っています。
改善ポイント1: ファーストビュー — 3秒で「自分の話だ」と思わせる
ファーストビューとは、ページを開いた瞬間、スクロールせずに見える範囲のことです。訪問者はここを見て、読み進めるか閉じるかを数秒で判断すると言われます。LP改善で最初に手を入れるべき場所です。
確認する観点は3つです。
- 誰向けの、何のページか一目で分かるか: キャッチコピーだけを読んで「山形市で外壁塗装を検討している人向けの、無料診断のページだ」と分かるか。かっこいい抽象的なコピーより、説明的でも具体的な一文のほうが機能する場面は多い印象です
- 広告の文言と揃っているか: 広告で「無料診断」と書いたなら、ファーストビューにも「無料診断」の言葉があるか。言葉が変わると、訪問者は「ページを間違えたかな」と感じます
- 次にすべき行動が見えているか: 問い合わせボタンや電話番号が、スクロールしなくても見える位置にあるか
支援の現場では、ファーストビューの画像とキャッチコピーを差し替えただけで数値が動いたケースもありました。効果を断定はできませんが、費用をかけた全面リニューアルの前に試す価値は十分あると考えています。
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改善ポイント2: オファーとフォーム — 「あと一歩」の人を逃さない
ファーストビューで読み始めてもらえたら、次の関門はオファーとフォームです。
オファーとは、訪問者に提示する「行動する理由」のことです。「お問い合わせはこちら」だけでは、まだ迷っている人は動けません。「無料相談」「資料ダウンロード」「見積もりシミュレーション」のように、心理的なハードルの低い入口が用意されているかを確認してください。特に検討期間の長い商材ほど、「今すぐ買う」以外の選択肢の有無が効いてくると考えています。
フォームは、最後の最後で人を逃す場所です。支援の現場でフォームを拝見すると、「そこまで聞く必要ありますか?」という項目がずらりと並んでいることがよくあります。確認したいのは次の点です。
- 入力項目は最小限か(名前・連絡先・相談内容程度で始められないか)
- 必須項目が多すぎないか(住所や役職は本当に初回から必要か)
- 送信ボタンの文言が行動を後押ししているか(「送信」より「無料で相談する」)
- 入力エラーの表示が分かりやすいか(スマホで実際に入力して確かめる)
せっかく広告費をかけて連れてきて、内容も読んでもらえたのに、フォームの面倒くささで離脱される。これほどもったいない失点はありません。
スマホで開いて確認する — 見ているのはパソコンの前の人ではない
見落とされがちですが、非常に重要なのがスマホ表示です。業種にもよりますが、地域の生活者向けビジネスでは、LPへのアクセスの大半がスマホというケースは珍しくありません。
ところが、発注側も制作側も、確認はパソコンの大きな画面で行いがちです。その結果、パソコンでは美しいのに、スマホで開くと文字が小さい・表が崩れる・ボタンが押しにくい、というページが生まれます。支援の現場でも「パソコンでしか確認したことがなかった」という声は本当に多く聞きます。
チェックはシンプルで、自分のスマホで広告のリンク先を開いてみるだけです。3〜4秒以内に表示されるか、ファーストビューの文字が拡大せずに読めるか、電話番号をタップしたら発信できるか、フォームが親指だけで入力できるか。この数分の確認だけでも、大きな取りこぼしを防げる可能性があります。
発注前に使えるLP改善チェックリスト
ここまでの内容を、自社で確認できるチェックリストとして整理します。高額なLP制作やリニューアルを発注する前に、まず現状のページをこの表で点検してみてください。全部で10項目、スマホ片手に30分あれば確認できます。
チェックが付かなかった項目こそ、伸びしろです。そして重要なのは、この10項目の多くは、制作会社に発注しなくても文言修正や項目削減で対応できるということです。まず自社でできる改善をやり切り、それでも数値が動かないときに初めて、プロによる作り直しを検討する。この順番のほうが、投資の失敗が少ないと私たちは考えています。
まとめ — 高いLPを作る前に、いまのページを直す
この記事のポイントを整理します。
- LPは「広告の受け皿」。クリックされているのに問い合わせが来ないなら、疑うべきは広告よりLP
- 広告のリンク先をトップページにしない。「広告で約束したことに、着地したページがすぐ答える」が基本
- 改善の優先順位はファーストビュー(3秒で自分向けと分かるか)→ オファー(ハードルの低い入口)→ フォーム(項目最小限)
- 確認は必ずスマホで。パソコンの画面だけで判断しない
- 10項目のチェックリストで現状を点検し、自社でできる改善をやり切ってから制作発注を検討する
広告費は毎月出ていくお金ですが、LPの改善は一度直せば効き続ける投資です。まずはご自身のスマホで、自社の広告のリンク先を開いてみることから始めていただければと思います。
「チェックはしてみたが、どこから直せばいいか優先順位が分からない」という方は、お気軽にお問い合わせください。現状のページと広告数値を拝見して、改善の順番をご提案します。
よくある質問
LPは必ず専用ページとして新しく作らないとダメですか?
必ずしも新規制作が必要とは限りません。既存のサービス紹介ページが「1テーマに絞られていて、問い合わせ導線が明確」であれば、まずそのページを受け皿にして広告を試す方法もあります。実際に配信してみて数値が振るわなければ、その時点で専用LPの制作を検討する、という順番のほうが投資の失敗が少ないと考えています。避けたいのは、何も検証しないままいきなり高額な制作を発注することです。
LPの改善はどこから手を付ければいいですか?
まずはファーストビュー(開いた瞬間に見える範囲)とフォームの2箇所をおすすめします。ファーストビューは離脱の大半が起きる場所で、フォームは「あと一歩」の人を逃す場所だからです。デザイン全体を作り替えるより、この2箇所の文言・項目数を見直すほうが、少ない工数で変化が出やすい印象があります。変更は一度に1箇所ずつにして、どの修正が効いたのか分かる状態を保つことも大切です。
LPの良し悪しはどの数値で判断すればいいですか?
基本はCVR(ページに来た人のうち問い合わせ等に至った割合)です。クリックはされているのにCVRが極端に低い場合、広告よりLP側に課題がある可能性が高いと考えられます。ただし適正なCVRは業種・商材・オファーの内容によって大きく変わるため、他社の平均値と比べるより、自社の過去数値と比べて改善したかを見るほうが実務的です。数値はあくまで目安として、実際のページをスマホで開いて確かめる作業とセットで判断してください。
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