「SEOを頑張ろうとブログを始めたけれど、どんなキーワードで書けばいいのか分からない」——支援の現場で、この相談は本当によく受けます。そして詳しく聞くと、多くの場合「リフォーム」「税理士」のような大きな一語で上位を狙い、数ヶ月で手応えがないまま更新が止まっています。
うまくいかない原因は、文章力でも更新頻度でもなく、最初のキーワード選定にあることがほとんどです。競争の激しい言葉を避け、自社が勝てる言葉から積み上げる。この記事では、地方の中小企業のマーケティングを支援しているCRAFHが、無料でできるキーワード選定の考え方と手順を整理します。
この記事で分かること
- ビッグキーワードを狙うと挫折しやすい理由
- 地方の中小企業が勝ちやすい「ロングテールキーワード」の考え方
- 無料でできるキーワード調査の3ステップ(サジェスト・サーチコンソール・お客様の言葉)
- 検索ボリュームより「問い合わせに近いか」で選ぶ判断軸
ビッグキーワードで挫折するのは、戦う場所を間違えているから
キーワード選定でつまずく典型パターンは、こうです。「うちはリフォーム会社だから、まず『リフォーム』で上位を取りたい」。気持ちはよく分かるのですが、この戦い方はおすすめできません。
「リフォーム」のような一語のキーワード(ビッグキーワード)は、検索する人が多いぶん、全国の大手企業・ポータルサイト・メディアが莫大な費用と記事数で上位を争っています。そこに後発の1社が数本の記事で割り込むのは、現実的にはかなり難しいのです。
しかも仮に上位に入れたとしても、「リフォーム」と検索する人が何を知りたいのかは実はバラバラです。費用を調べたいのか、事例を見たいのか、そもそも言葉の意味を知りたいだけなのか。検索の意図が広すぎて、問い合わせにつながる割合は意外と低い、という側面もあります。
つまりビッグキーワードは「勝ちにくいのに、勝っても成果に直結しにくい」言葉なのです。まず狙うべきは、別の場所にあります。
地方の中小企業は「ロングテールキーワード」で勝つ
ロングテールキーワードとは、「山形市 キッチン リフォーム 費用」のように、複数の言葉を組み合わせた検索されるキーワードのことです。1つひとつの検索数は少ないものの、種類が膨大にあり、合計すると大きな検索需要になります。
ビッグキーワードとの違いを表で整理します。
地方の中小企業にとって特に相性がいいのが、次の2種類です。
- 地域名×サービス: 「山形市 外壁塗装 相場」「天童 ヨガ 初心者」など。商圏が地域に限られるビジネスなら、そもそも全国のビッグキーワードで戦う必要がありません
- 悩みの言葉: 「キッチン 収納 少ない リフォーム」「腰痛 デスクワーク 対策」など、お客様が困りごとをそのまま打ち込んだ言葉。ここで丁寧に答えられる記事は、大手の総花的な記事より選ばれる余地があります
支援の現場でも、地域名を含む具体的なキーワードの記事から問い合わせが生まれ始めるケースを何度も見てきました。検索数の小ささを不安に思う方は多いのですが、「月に10人しか検索しない言葉」でも、その10人が自社の商圏内で本気で困っている人なら、十分に価値があると私たちは考えています。
ステップ1: サジェストで「実際に打たれている言葉」を集める
ここからは、無料でできる調査手順です。最初のステップは、Googleのサジェスト(検索候補)を使った言葉集めです。
Googleの検索窓に「地域名+自社のサービス」を打ち込むと、その後ろに続く言葉の候補が自動で表示されます。これは実際に検索されている組み合わせが元になっているため、「世の中の人がどんな言葉で探しているか」をそのまま知ることができる、いちばん手軽な調査方法です。
やり方はシンプルです。
- 検索窓に「山形市 リフォーム」のように打ち、続きの候補(「費用」「補助金」「評判」など)をメモする
- 「リフォーム キッチン」のようにサービス名側でも試し、候補を集める
- 検索結果の下部に出る「関連する検索」も同じようにメモする
この作業を30分もやれば、キーワード候補が数十個は集まります。この段階では取捨選択せず、とにかく書き出すことがポイントです。なお、キーワード選定を含むSEO全体の進め方は、中小企業のSEO対策の始め方|業者に頼む前に自社でできる7つのことで全体像を整理していますので、あわせてご覧ください。
ステップ2: サーチコンソールで「すでに来ている検索」を確認する
2つ目のステップは、Googleサーチコンソールの活用です。サーチコンソールとは、自社サイトが「どんな検索キーワードで、何回表示され、何回クリックされたか」を確認できるGoogleの無料ツールです(参照: Google「Search Console の概要」)。
ここで見てほしいのは、「表示はされているのに、クリックされていないキーワード」と、「思いがけない言葉で表示されているキーワード」の2つです。
前者は、Googleがすでに自社サイトをその言葉の候補として認識している状態です。掲載順位が10位〜30位あたりにあるキーワードは、その言葉に正面から答える記事を書いたり既存ページを強化したりすることで、順位が上がる可能性があります。ゼロから狙うより、はるかに効率のいい戦い方です。
後者は、自分たちでは思いつかなかった需要の発見につながります。支援の現場でも、サーチコンソールを開いてみたら「想定していなかった悩みの言葉で表示されていた」ことが分かり、そこから記事テーマが一気に広がった、というケースが少なくありません。
まだサーチコンソールを設定していない場合は、この機会に導入をおすすめします。登録は無料で、データは貯まり始めてからが本番です。
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ステップ3: お客様の言葉から「検索される前の悩み」を拾う
3つ目のステップは、ツールを使わない調査です。実は、いちばん質の高いキーワードの源泉は、日々の接客・商談・問い合わせの中にあります。
- お客様が最初の問い合わせで使った言葉(「なんとなく水回りが古くて…」)
- 商談でよく聞かれる質問(「補助金って使えるんですか?」)
- 契約後に言われた一言(「もっと早く相談すればよかった」の前にあった迷い)
こうした生の言葉は、サジェストにもツールにも出てこない「検索される一歩手前の悩み」を含んでいます。お客様の言い回しに近い言葉で記事を書くと、検索で見つけてもらえるだけでなく、読んだ人が「これ、うちのことだ」と感じやすくなります。支援の現場でヒアリングをすると、現場のスタッフの方が「よく聞かれる質問」を驚くほどたくさん持っていることが分かります。それをそのまま記事テーマのリストにするだけで、ネタ切れの心配はかなり減ります。
集めたキーワードを実際に記事にしていく書き方・続け方は、会社ブログの書き方|ネタ切れせずに続けるコツで詳しく解説しています。
選ぶ基準は検索ボリュームより「問い合わせに近いか」
候補が集まったら、どれから書くかを決めます。ここで多くの方が検索ボリューム(月間の検索回数)の大きい順に選ぼうとするのですが、私たちは別の基準をおすすめしています。「その言葉で検索する人は、問い合わせにどれだけ近いか」です。
たとえば「リフォーム とは」で検索する人は情報収集の入り口にいる一方、「山形市 キッチン リフォーム 見積もり」で検索する人は、依頼先を探している段階にいる可能性が高いはずです。検索数は前者のほうが圧倒的に多くても、1件の問い合わせへの近さは後者が勝ります。
優先順位づけの目安を表にまとめます。
低優先の言葉が無意味というわけではありません。ただ、記事を書ける本数が限られる中小企業では、問い合わせに近い言葉から書き、余力が出てから裾野を広げる順番が現実的だと考えています。検索ボリュームの数字は、あくまで参考程度の目安として扱ってください。
まとめ — 小さく確実な言葉から積み上げる
この記事のポイントを整理します。
- ビッグキーワードは「勝ちにくく、勝っても問い合わせに直結しにくい」ため、最初に狙う場所ではない
- 地方の中小企業は「地域名×サービス」「悩みの言葉」のロングテールキーワードと相性がいい
- 調査は無料でできる。サジェストで言葉を集め、サーチコンソールで「すでに来ている検索」を確認し、お客様の生の言葉を拾う
- 選ぶ基準は検索ボリュームの大きさより「問い合わせに近いか」
- 1記事1キーワードで、1つの悩みに深く答える記事を積み重ねる
キーワード選定は、一度やって終わりではなく、記事を書きながら育てていくものです。まずはサジェストを眺める30分から始めていただければと思います。
「うちの業種ならどんなキーワードを狙うべきか」を相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。商圏と事業内容を伺ったうえで、優先して書くべきキーワードの方向性をご提案します。
よくある質問
検索ボリュームを調べられる無料ツールはありますか?
Google広告のキーワードプランナーは、広告を出稿していなくてもおおよその検索ボリュームを確認できます。ただしロングテールキーワードは「10〜100」のような幅でしか表示されなかったり、そもそも数字が出なかったりすることも珍しくありません。この記事で紹介したとおり、ボリュームの数字よりも「問い合わせに近い言葉か」を優先して選ぶことをおすすめします。数字はあくまで参考程度に見るのが現実的です。
1つの記事にキーワードはいくつ入れればいいですか?
基本は「1記事1キーワード(1つの検索意図)」と考えることをおすすめします。似た意図の言い換え(例:「ホームページ 集客 方法」と「ホームページ 集客 やり方」)は1記事にまとめて問題ありませんが、意図の違う言葉を1記事に詰め込むと、どの検索にも中途半端な記事になりがちです。欲張らず、1つの悩みに深く答える記事を積み重ねるほうが結果的に近道になるケースが多い印象です。
選んだキーワードで上位表示されるまでどのくらいかかりますか?
競合の少ないロングテールキーワードでも、公開から数週間〜数ヶ月かかるケースが多く、サイト全体が新しい場合はさらに時間がかかることもあります。あくまで目安であり、断定はできませんが、数本書いて反応がないからと諦めるのは早すぎると考えています。サーチコンソールで表示回数や掲載順位の変化を月1回ほど確認しながら、記事を書き足していく体制を作ることが先決です。
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